宇宙ステーション・ユグドラシル

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部屋へと着くと、荷物を置きベッドへとダイブする。 「…ふわぁ~」 すると慣れない宇宙船の旅で疲れが一気に出たか、そのまま眠りへと落ちた。 「…う、うぅん…朝?」 窓から微かに朝の光りが私を包むと、次第に意識が覚醒してくる。 ぼやける瞳をごしごしと手で擦りながら、備え付けのデジタル時計を見ると時刻は6:50分を表示している。 「…さて、準備しよう」 私はベッドから起き、背伸びをするとシャワールームへと行く。 そして熱いシャワーを浴び完全に意識を覚醒させる。 「ふぅ」 宇宙で迎える初めての朝か、けど不思議と違和感は無い 宇宙ステーションと言っても、地球と同じように昼間は明るく夜は暗い 一日のサイクルに合わせ照明を調節させ、体内時計を狂わせないようにしている。 「……うん。似合う、かな」 私は荷物から真新しい一着の制服を取り出しきてみる。 黒のワイシャツに赤と黒のチェック柄のミニスカート 紺色のブレザーに紫色の紐状リボンを、ワイシャツの上から首もとで結ぶ。 そして全身が映る大きな鏡の前に立ち、自分をまじまじと見る。 「……う~ん」 鏡に映るひかるの姿はお世辞にも、年相応な女性とは言えない。 髪は栗色のショートカット、ラフな格好(シャツにハーフパンツ)を好む、しかもかなりの童顔でたまに男の子と間違われたりもする 今年で16歳となるが、ぱっと見13歳にも見えるのが本人の悩みだったりもする。 「…はぁ…朝から憂鬱になっちゃたよ」 ため息を一つつくと、荷物を片付けホテルを出る。 入学式は9時から始まる、さすがに初日から遅刻はマズイ、私は早めに学園へと向かうことにした。
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