序章

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そんな過去は、ないけども。 ありもしない過去を、正々堂々と言い放つ。 「そうだったんですか……大変でしたね。」 疑わずに、信じる彼女。 しかし、人間の過去の話など、誰が疑うのだろう。 とまぁ、転校生の正識愛と会話を交わしてからの休み時間。 やはり、男女入り乱れて質問攻めにされていた。 彼女との会話の中で知ったことだが、地毛で茶髪なのだという。 しかも碧眼なので珍しいことこの上ないだろう。 「いやぁ、人気だねぇ、あの転校生。」 そんな風に、突然後ろから声をかけられた。 振り向いてみれば、案の定、砂場遊日(すなば ゆうび)だった。
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