1人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
そんな過去は、ないけども。
ありもしない過去を、正々堂々と言い放つ。
「そうだったんですか……大変でしたね。」
疑わずに、信じる彼女。
しかし、人間の過去の話など、誰が疑うのだろう。
とまぁ、転校生の正識愛と会話を交わしてからの休み時間。
やはり、男女入り乱れて質問攻めにされていた。
彼女との会話の中で知ったことだが、地毛で茶髪なのだという。
しかも碧眼なので珍しいことこの上ないだろう。
「いやぁ、人気だねぇ、あの転校生。」
そんな風に、突然後ろから声をかけられた。
振り向いてみれば、案の定、砂場遊日(すなば ゆうび)だった。
最初のコメントを投稿しよう!