第1章

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「なんやてコイツー。千晴もなんか言ってやりなよ」 え?そこ桜井さんに振っちゃうの? 待て待て待て! あと30秒くれ!心の準備が… 「――――――いの?」 桜井さんの生ボイス頂きました! ご馳走様です! ……じゃなくて! 今テンションがわけ分からないことになっててせっかくの桜井さんの言葉が上手く聞き取れなかったぞ。 やべー、なんか空気重い。 くそ!勇気を絞って喋るんだ俺! 「ごめん。何言ったか分からなかったから、もう一回言ってくれませんか?」 なんで敬語+標準語なの俺! そこは普通に『もう一回言ってくれん?』で良いやん! 「やからね?高屋くんの顔が赤いから体調でも悪いのかなって思って…」 俺が失礼な態度をとっているにも関わらず桜井さんはリピートしてくれた。 神すぎるー優しさ半端ねぇー。 てか、今俺の顔赤いの!? 顔の色なんて顔をどう変形してもごまかせねーよ。 「いやーなんかこの教室暑いからさー…」 精一杯の言い訳だ。 頼む!納得してくれ! 「クーラーついとるのに?」 はい、言い訳玉砕。 「いや…俺熱い男やからさ」 苦しい…果てしなく苦しい。 もう言ってることわけ分からねーよ。 焦りすぎて変な汗かいてきた。 『意味分からんし』的な返事が返ってきてもう精神的に限界を迎えると思いきや桜井さんは意外にも、ふふふと微笑んだ。 「そうなんや。高屋くんは熱い男なんやね!」 そこは納得なんですか? てか、笑顔癒されるわー。
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