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やばいなー今の俺相当ニヤニヤしてるだろうな。
「で?結局やるの?やらんの?」
しびれを切らした青木が口を挟んできた。
貴様!俺と桜井さんとのふわふわ時間(タイム)に水を差すとはなんという無礼だ!
しかしまぁさすがにそろそろ結論を出さないとまずいな。
これは桜井さんと近づくことができるチャンスだ!
なんのために今まで妄想してきたと思ってるんだ高屋侑生!
勇気を出せこのヘタレが!
「ねぇ、高屋くん」
ん?…ってか桜井さん!?
「応援団は夏休みとか暑いのに練習しないといけないけど、きっと皆でなにかをやるのは絶対楽しいと思うよ。勉強の心配しとるんならさっき日程見たけどそんなたくさんあるわけでもないし…。やから一緒にやろうよ」
なんだこの感動的なスカウト。
これだけ言ってもらったんやからやるしかない。
勇気を出せ!
勇気を出せ!
勇気を出せ!
勇気を出せ!
勇気を出せ!
「じゃあ…お、俺やるわ」
この日、俺は憧れていた桜井さんと初めて話すことができた。
この時の俺はただひたすら桜井さんと会話出来たことが嬉しかったのだけれど、あとから思えば自分の殻を破ることができたのはきっと桜井さんのおかげだ。
こうして俺の短いけれど忘れられない夏が始まった―――。
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