第2章

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文化祭 高校生活を経験した人なら誰もが思い出に残っている行事だと思う。 ただ、文化祭のどのあたりが『文化』なのだろうかとたまに疑問に思ってしまう俺はやはりひねくれているのだろうか。 だって文化の祭典なのに日本の文化っぽいことをしているのは書道部と茶道部ぐらいで、あとは劇とかダンスとかそんなものばかりだ。 まぁ俺みたいに『文化=日本の文化』ととらなければ劇だのダンスだのもそれぞれの歴史があるわけで、その気になればメイド喫茶なんてのも『オタク文化』の象徴のようなもので、それも文化と言えてしまうのだから、ひょっとすると『文化』というのはある意味抽象的で、使い勝手のいい(もしくはこじつけやすい)言葉なのかもしれない。 まぁ実際のところはそんなことはどうでもよくて、そんな『文化』なんて言葉に固執する高校生なんて一人もいないし、楽しめればそれでいいわけで、もちろん俺も例外ではない。 なんで急に文化祭なのかというと、実は俺が所属している学校は文化祭2日間と体育祭1日間が3日間連続で行われるのだ。 ちなみに俺のクラス発表は劇をやると先週の話し合いで決まった。 俺はさすがに主役をやるほど度胸もないけれど、ちょっとぐらいは目立ちたいからナレーターという配役を獲得している。 ちなみに池田は雑草の役だ。
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