第2章

3/10
前へ
/63ページ
次へ
あの日、応援団になったことで俺と桜井さんは廊下ですれ違うと軽く挨拶する、ぐらいの仲になった。 朝に会ったときならもうその1日は晴れやかな気分で過ごすことができる。 男ってのは単純なものだ。 「なぁ?やっぱ俺が雑草っておかしくね?俺やったら主役でも全然いけるやろ」 お前のそのわけの分からん自信はどこから出てくるんやて。 とりあえず今から家に帰って鏡を見て自分の醜い顔面見とれこのカス。 「はぁ?そのセリフはてめぇの顔を整形して薬で身長伸ばしてから言えて」 う…。 身長をからめられると言い返せない… 俺は人にはとやかく言うけど、いざ自分が言われると泣きそうになるタイプだ。 「あー高屋くーん」 やたらでかい女、青木有紀が現れた。 くそ! その長身DNAを30%ぐらい俺にくれ! 「今日の放課後に応援団の集まりがあるから絶対参加ね!」 なに? 最近の俺の脳内では完全に『応援団=桜井さん』という方程式が成り立っている。 「分かったわー」 最近はなんかいつもの平凡な学校生活に新しい風が吹いてて楽しい。 「なんかお前楽しそうやな」 池田のアホは例外だけどな。
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加