第2章

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酒井と話していると俺の第六感が反応した。 桜井さんレーダーだ。 ちらっと教室の入口を見るとやっぱり桜井さんが入ってきた。 うん、今日も可愛いわ。 おい、野郎ども!桜井千晴嬢のお通りだ!道をあけろ! 「団長の酒井です。一発芸やります!」 えー、現在は自己紹介が始まったところです。 酒井の一発芸は真夏だとは思えないほど教室の空気を寒くした。 そうなんだよな、コイツはいいやつなんだけど、なぜか果敢にウケを狙いそしてまるで摩擦0の滑らかな斜面の上に物体を置いて斜面の下向きに力いっぱい物体を押すぐらいの勢いで滑る可哀相なヤツだ。 コイツが南極で芸をやれば南極の氷が溶けずに済んで温暖化問題も何事もなかったかのように解決し、むしろ地球が寒冷化するんじゃいか? コイツはツバルを救える可能性を持っている男かもしれない。 うん、今のは言い過ぎだけどとりあえず冷房を止めようかな。 当然のように俺の番が回ってきたが特筆することがないぐらい平凡でありふれたあいさつをした。 噛まずに言えたから問題ないだろう。 自己紹介が女子のゾーンに突入した。 青木はさすがで堂々としっかりとしたあいさつをすらすらと話した。 「はい、じゃあ次の人お願いします」 次は待ちに待ったマイエンジェルこと桜井さんだ。 やっぱカワユスー。
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