第2章

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応援の練習はまずは校歌から入った。 1曲目から難しーな、おい。 踊りなんかそんなにやったことないし、センスがあるわけではない俺はかなりてこずってしまった。 本当にこんなん何曲も覚えれるのか? 「じゃあ皆で合わせるでさっきの並び順でならんでー」 あかんわ、無理無理。 さっきから気合い入れて練習してるのに全く覚えれん。 1日目からこんなんじゃ萎えるわ。 「はい、じゃあせーの!でいくよー。せーの!」 えーっと、最初は左手を出して、回して、次は両手を…あ、間違えた。 ちらっと前を見る。 桜井さんが俺より踊れてたら格好悪いなー、なんてどうでもいいことを考えていた。 おー意外とちゃんと踊れて…ってアレ? なんかフラフラしてないかい? そう思った瞬間に桜井さんはまるで体の骨を全部抜かれたかのように地面に座り込んだ。 「お、おい!大丈夫!?」 俺が駆け寄って顔を覗き込むと桜井さんの顔は真っ赤だった。 他のヤツらも駆け寄ってきた。 「とりあえず保健室に連れてくぞ!」 酒井が声を荒げた。 いや、お前が焦ってどうするんだよ、このアホ。 「じ、じゃあ俺がおんぶしてくわ」 よく言った俺! 素早く桜井さんをおんぶした俺は青木と一緒に桜井さんを保健室へ連れていった。 桜井さんは飯食ってるのか?ってぐらい軽くて小学生をおんぶしているようだった。 もちろんこの俺が邪念なんかあるわけがない。 しかし桜井さんはものすごく良いにお………なんでもない。
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