第3章

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放課後、今日は応援の練習ではなく、クラスの文化祭の練習に出ている。 劇も応援団も勉強もやらないといけないからな、この時期は本当に大変だ。 で、今から俺のナレーションの練習だ。 ナレーションってのは最初にちょろんと出てきて観客の皆様に物語の主旨を伝え、そして舞台の雰囲気を伝えなくてはならない。 軽い気持ちで立候補したものの、意外と重要な役割だ。 ここは一つ恥を捨ててナレーターに成りきって俺の本気を見せてやろうと思います。 合唱で言えばテノールぐらいの俺の高いかつ優しい、そして聞き取りやすいナレーションを見せてやんよ! 「むかし、あるところに……」 「はいはいストップ!高屋くん棒読みすぎ」 グズッ……そんなはっきり言わなくてもいいのに。
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