第3章

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「じゃあ俺が赤外線受信するでー」 「はいはーい」 まぁとりあえず桜井さんのアドは無事に入手できそうだ。 こんなことでビビるとか、マジで俺ダサいなぁ……。 普段話せても改まるとなんか緊張してしまうんやな。 もうしょうがないっす。 って、アレ? 「桜井さん?受信できんのやけど……」 「うん、私もできんよー」 うーん……何故だ。 ま、まさか! ある意味恐怖を感じながら俺は桜井さんの携帯を覗き込んだ。 「…あのー。俺が受信するって言ったよな?」 「え……、あ!私も受信しとった!」 あああぁぁぁああぁぁあああ!! ちょ、そのミス反則! あー…今なら天国よりもっと良いところに行けるような気がする。 まぁとりあえず! 桜井さんのアド、Getだぜ! …え?ポケモンって古いの? 桜井さんは忙しいらしく、すぐに教室の中へ戻っていった。 青木は一部始終を見ていて、笑いを堪えるのに必死だったようだ。 「よかったねー」 お、おう! 「ってか、高屋くんキョドり過ぎで、ウケるんやけど」 ……やっぱりコイツ殴っても良いですか? 「まぁ、頑張ってねー!」 まぁ……今回はコイツには感謝しないとな。ありがとうって心の中で言っといてやるよ。 青木はスキップでもしそうなぐらい軽快な足どりで楽しそうに教室に入っていった。
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