第4章

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最近気がついたけど、桜井さんって結構変な子なんだよな。 それはそれでポイント高いっす。 「じゃあ私有紀ちゃんのところ行ってくるねー」 お、おう! なんだ、もう行っちゃうのか。 「お前なんでそんな可愛い子と仲良いんやて!」 桜井さんが来てから固まっていた根尻さんが復活しましたー。 「いや、応援団でたまたま一緒やから……」 「あー!俺も応援団やればよかったー!」 なんもやらずに後で後悔。 コイツの人生の典型的なパターンだ。 ここで、やれば良かったやん、とか言うと何十倍もの罵声が飛んでくるからここは我慢だ。 ―――――― 「あー…応援団やれば良かったー…」 もうかれこれ1時間ずっと根尻は後悔し続けている。 それをひたすら聞かされる俺の身になってみてください、ストレス溜まらないわけがない。 ただでさえ勉強でイライラしとるのに……勘弁してくれ。 あかん、もう限界。 「ちょっとトイレ行ってくるわ」 はぁ、なんで根尻はいつもああなんだろう。 影では変態のくせに人見知りやし、仲良くなったと思ったら毒舌になって、しかも言い返せないようなことばかりを言ってくる。 まぁ俺がアイツを変態と呼ぶのはアイツの感性は『エロい』の斜め上ぐらいを通り抜けていて、普通の純粋な高校生のエロさとはまた違う場所にあるからである。 だからこそ面白いヤツでもあるんやけど、だいたいは理解不能で欝陶しい。
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