第1章

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「冥王星は元々太陽系の仲間やったやろ?それで急に準惑星って分かった途端に仲間外れなんて絶対可哀相やて」 「いや、冥王星は今まで誤解されてきたわけやから、むしろ喜んどるやろ」 俺達は今弁当を食べながら『太陽系から外された冥王星の気持ち』について議論している。 正直どっちでもいいんだが(多分池田もそう思っている)まぁこういうのはなんとなく雰囲気を楽しめればそれでいいんだ。 「だって今までずっと惑星たちは仲間やったんやぞ?それなのに小さいってことが分かっただけでこの仕打ちはあんまりやろ!その冥王星の気持ちが分かってやれないお前は冷徹人間やわ。てか、お前本当に人間かて」 ついに池田は冥王星に感情移入しすぎて、涙目になってきている。 こいつのキャラはいったいどこへ向かっているんだ。 てか、人の人間性まで否定すんな。 「例えるなら俺が身長伸びたから『俺の友達にチビはおらんし』とか言ってお前の友達をやめるようなものやぞ」 なに…それは確かにムカつくわ。 「やろ?今のお前の気持ちがまさに冥王星の気持ちやて。」 …なんか急に冥王星が可哀相に思えてきた。 「その調子だ高屋くん。君はきっと冥王星といい友達になれる。」 やべぇ、マジ泣けてきたわ。 「あんたら、なに泣いとるの?」 俺達が冥王星に同情して泣いていると女の子が話しかけてきた。
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