入隊

3/5
前へ
/505ページ
次へ
―― ―――― 花梨は周りをキョロキョロしながら正座している。 先程の青年は、目の前にいる男に、 「土方さん、この人が神社で倒れてましたよ」 男は眉を潜めてじろじろ花梨の格好を見た。 「異国の着物みたいだが何処から来た?」 「ここの町なみ見たんですけど ちょっと離れた所に来たみたいなんですよ 因みに服は日本製です家に連絡してもらってよろしいですか?」 「はぁ?何訳わかんねぇ事言ってんだ 俺は何処から来たかと聞いてんだ」 なんでこの人上から目線なの。この私を連れてきた男よりも腹立たしいんだけど。 「京都に家があるんです」 「京に?何故ここに来た」 「気絶してる間にいました」 「ほほーう 何か訳ありだな 何故狙われるはめになったんだ? しかも頓所の近くでほっとかれるとはなぁ」 「いやストーカーじゃないと思いますよ」 「ストーカー?なんだそれ」 え 何これ。話しが通じないんだけど、 どんな反応すれば良いの? 面倒だし、 話変えるか。 「ここの人ってなんで時代劇みたいな 格好してるんですか?」 町並みを見ていて思った違和感を口にすると、 「普通だろ」 本当に普通だという態度をとられて暫く考えた。 町の皆も私をじろじろ見回してたし、あんだけの人数がとちくるったとは思えない。 しかも、映画村にしても何かこう…建物の古くさい感じとかがリアリティありすぎて… 信じられないけど、 冷静になるとこれって… タイムスリップ? だったりして。もしかしてだけども。 京で浅葱色のだんだらの羽織りに、頓所ってのは新撰組。 土方ってのは 「土方歳三!?」 花梨がそう言うと 土方とそばに座っていた青年が反応した 「なんだテメェ何で俺の事知ってんだ」 「あ、先に言うね 長州の回し者じゃないんで。ドラマとかでなんかダメだってやってたから。でもホントの事言っても信じて貰えるかな~」 「言わなきゃ拷問な」 その言葉に花梨はぞくっとした 「今から150年先の未来から来ました」
/505ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8258人が本棚に入れています
本棚に追加