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花梨は周りをキョロキョロしながら正座している。
先程の青年は、目の前にいる男に、
「土方さん、この人が神社で倒れてましたよ」
男は眉を潜めてじろじろ花梨の格好を見た。
「異国の着物みたいだが何処から来た?」
「ここの町なみ見たんですけど
ちょっと離れた所に来たみたいなんですよ
因みに服は日本製です家に連絡してもらってよろしいですか?」
「はぁ?何訳わかんねぇ事言ってんだ
俺は何処から来たかと聞いてんだ」
なんでこの人上から目線なの。この私を連れてきた男よりも腹立たしいんだけど。
「京都に家があるんです」
「京に?何故ここに来た」
「気絶してる間にいました」
「ほほーう
何か訳ありだな
何故狙われるはめになったんだ?
しかも頓所の近くでほっとかれるとはなぁ」
「いやストーカーじゃないと思いますよ」
「ストーカー?なんだそれ」
え 何これ。話しが通じないんだけど、
どんな反応すれば良いの?
面倒だし、
話変えるか。
「ここの人ってなんで時代劇みたいな
格好してるんですか?」
町並みを見ていて思った違和感を口にすると、
「普通だろ」
本当に普通だという態度をとられて暫く考えた。
町の皆も私をじろじろ見回してたし、あんだけの人数がとちくるったとは思えない。
しかも、映画村にしても何かこう…建物の古くさい感じとかがリアリティありすぎて…
信じられないけど、
冷静になるとこれって…
タイムスリップ?
だったりして。もしかしてだけども。
京で浅葱色のだんだらの羽織りに、頓所ってのは新撰組。
土方ってのは
「土方歳三!?」
花梨がそう言うと
土方とそばに座っていた青年が反応した
「なんだテメェ何で俺の事知ってんだ」
「あ、先に言うね
長州の回し者じゃないんで。ドラマとかでなんかダメだってやってたから。でもホントの事言っても信じて貰えるかな~」
「言わなきゃ拷問な」
その言葉に花梨はぞくっとした
「今から150年先の未来から来ました」
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