あるメイドの話

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あるメイドの話

昨日の夜十一時頃の話ですわ。 Aが自転車で帰宅途中、急な下り坂を結構な速さで下っていたらしいんですの。 でも、その先はT字路で、仕方無く一時停止したのです。 そこまでは何のへんてつもない日常だった……。 だけど、近くの自販機で釣り銭の落ちる音が聞こえた。 Aは何となくそちらを見た、すると男が自販機にもたれ掛かっていたそうよ。 Aは気にも止めず逆方向に行こうとした……。 しかし、男がいつまで経っても動く気配が無いことにAは気付いた。 釣り銭を取る気配もなければ、体をピクリとさえ動かさない。 Aは心底不思議に思い、その男に声を掛けた……。 けれども、何の反応もない。 Aは慌てて駆け寄ると、その男に触れようと手を伸ばしたそうよ。 すると、男は抵抗するでもなく、ただAに体重を掛けて来た……。 Aは驚いて、咄嗟に離れると、男は地面に倒れ込んでしまった。 ただ事ではないことに気付いたAは、急いで警察に連絡したそうよ。 でも、時既に遅し。 男の人は帰らぬ人となった……。
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