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春爛漫だ。
春爛漫過ぎる。
そう思いながら僕、上之宮蓮斗(うえのみやれんと)は、草木が生い茂る畦道を歩く。
(どうしてこうも春うららなんだ……)
僕は軽く肩を下げながら溜め息をつく。
春は嫌いだ。
直接春が嫌いという訳では無い。
春に湧く『あいつら』が嫌いだから、自動的に春が嫌いになった。
そう、虫だ。
僕は虫が大嫌いだ。
特にこれといった理由は無い。強いて言えば形や動きだろうか、とにかく嫌いなのだ。
「はぁ………」
改めて溜め息をつく。
(どうして毎年入学式は春なんだ?嫌になる……)
今日は高校の入学式だった。特に何も変わった事もなく僕は今日、高校生になった。
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