幼蝶の章 前

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玲菜の大声に思わず耳を塞ぐ。 「ホントに蓮斗はいっつもいっつも自分勝手で……双子の私の身にもなってよ!……って聞いてんの!?」 受話器に耳をあて直し 「聞いてるよ、てかお前にだけは自分勝手とか言われたくない。」 「何よそれ……まるで私が自分勝手みたいな言い草じゃない?」 「言い草じゃなくて事実なんだけ……」 「今何処……?」 「へ?」 「だから今何処って聞いてんの……。」 「学校のすぐ近くの畦道、たんぼの。」 すると受話器から「フフフ……」と言う声が聞こえ 「そこで待ってなさい……今すぐ調教し直してあげる……!」 ブツッ! ツー、ツー、ツー 「…………。」 「ヤバイな……。」
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