二章 新たな勢力

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「闘刃~!!」   いきなり何かと思えば、大きな声を上げながら、蓮がこちらに走って来ているのが確認できた。   図書館内では静かにするべきだが、俺達しかいないのだからこの際気にしないでおこう。   「どうだったんだ?」   「話は学園に帰ってからにしよう。明日、臨時の委員会を開く。全員参加だ。それとこれ、師が闘刃にって」   「直々指名か」   「大事に持っておいてくれと言っていた。なんでも、狙っている奴らがいるらしい」   「森国か?」   俺の問いに蓮ははっきりと頷いた。疑念でしかなかった事が、日記により確信に変わったか。   しかしあの森国が相手となると骨が折れる。あの国は半鎖国状態を森羅戦争から継続しているから、めぼしい情報も中々得られない。   互いに必要以上に干渉しないという条件の元、羅国と森国は条約を結んでいる。 だから物資の輸出入はあれども、それ以外の入国を一切禁止にしているのだ。   なのに森国は隠力を嗅ぎ付けてきた。   ……もう既に俺達の周りにいるのかもしれない。   「一難去ってまた一難だな」   「今度の一難はでかい。私達執行委員会だけでなく、帝国とも協力はすべきだろう。……で、皆が納得してくれればいいんだが」   不安の種は尽きない。あと半年で卒業だというのに……   『隠力』というのは本当に難儀な力だ。  
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