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『─っ』
そんな中かろうじて少しだけだが、ジリ…と足が後ろに下がる。
それをバネにして出来るだけ速く逃げようと一気に脚を動かした。だが、逃げることなど叶うはずがない。
途端後ろから髪の毛をわし掴みにされ、両手を背中へ回され拘束されて、そのまま床へと押さえ付けられる。
『いッ─づ』
『おいおい隼人、マジかよ…いくらなんでもそれはヤベェんじゃねーの』
仲間達も隼人が本気だってことを悟ったのか、いよいよ本気まじりに制止を促す。
だがそんなことで止まる筈がない。隼人が抵抗する俺を押さえ付けながら言った。
『何で?お前らコイツの泣くとこ見たくねぇの?』
言いながら俺の服を脱がしに掛かる。
隼人の手が首筋から入って、制服のボタンを引きちぎった。俺は全力で抵抗するがそれも虚しく、押さえ付けられたまま何一つ抗うことが出来ない。
『やめ…ッやめろ!』
やっと出た言葉さえ何の役にも立たなかった。
逆に煽るように隼人の手を進ませる。下半身まで伸びた手に自身を触られて、嫌悪からゾワっと鳥肌がたった。
どうしてこんな…止めてくれ──嫌だ、嫌だっ!
『…ッや、だ』
何をされるか分からない恐怖と悔しさで、嗚咽が漏れる。青ざめていた顔も羞恥で熱が集まり赤くなっていった。
項に唇を落とされ、身体が跳ね上がる。悪ふざけにしたって度が過ぎてる─…こんなこと、男同士ですることじゃない。
気付くとあんなにうるさかった連中も何も言わなくなっていた。
誰も隼人の行為を咎めようとも、止めようともしない。
それは諦めなのか興味本位なのか…
ただ皆、オレ達を見ていた。
視線に耐えられなくなって俯くと涙がパタパタと床に落ちていく。
歯を食いしばるけれど我慢出来なかった。
オレには泣くことしか出来なかったからだ。
ほぼ着ていたものを脱がされた状態で今度は仰向けにされ、脚を抱えられる。
オレが暴れると仲間の中の一人が近付いてきて言った。
『…俺も入れろよ、コイツ押さえといてやるから。いいだろ?隼人』
─…どうして、
こんな目に。
そうどんなに問いても、助けを求めても…オレは分かっていたけれど。
──誰も助けてなんてくれない。
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