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ヤバイ。
いや、マジで。
慣れない手紙に想像以上に時間をくってしまった。
軽くため息をつきながら、慣れない手つきでネクタイを絞める。
・・・・・・あ。
鏡に映る僕の姿は情けなかった。
ネクタイはぐちゃぐちゃ、くせ毛は大暴走。
「・・・・・・」
さすがにまずいよな。
入学式にこんな格好ででるなんて。
あまり使わないブラシを取り出してきた。
それでとかそうとして気づいた。
無理だ。
時間ないよ。マジで。
「入学式遅刻の方がまずいよな・・・・・・」
僕は深くため息をついて、ブラシを置いた。
そして昨日買ったばかりのスクールバックを背負った。
慣れない革靴は違和感だらけだったが、一ヶ月も経てば慣れるだろう。
「あ、ヤバイヤバイ」
一度履いた靴を脱ぎ、居間まで走った。
「んじゃ行ってきます」
父さんと母さんが写る写真に向かってそう言った。
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