はじめまして

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「ご入学おめでとうございます」 若い女性の声が耳に響いた。 「ゼェ、ゼェ、ゼェ―――」 全速力はきつかった。 家から自転車で猛スピードで走ること二十分と三分、足はパンパンに張っていた。 呼吸も乱れて凄く苦しい。 本来御祝いの言葉に感謝を示さないといけないのだが、その余裕がなかった。 明日からは早く出ようと心に決めながら深呼吸をした。 ゆっくり呼吸を整えながら顔を上げた。 「ありがとうございます」 笑顔でお礼を言った。
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