強くなるために

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「・・・終わりだな」 よろめいた精霊に、すかさず折れた剣を突きつける。折れているとは言っても、斬られれば致命傷ともなりかねない。精霊は、潔く負けを認めた。 「強くなったな。たったの3日で超えられるとは思っていなかったぞ」 俺たちは草の上に座って話をしている。 「おまえには、才能があるな。剣にしても魔法にしても」 こんなに褒められたのは、初めてだった。 「いや、そんなことはない。俺は、落ちこぼれだし・・・」 「馬鹿野郎、お前がおちこぼれだったら、俺はおまえに負けたんだから落ちこぼれ以下ってことになるだろうが。おまえは、もっと自分に自信を持てよ」 俺は、軽く微笑んでそれに答えた。だが、首を縦には振らなかった。
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