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「・・・今まで世話になったな。ありがとう」
俺は、折れた剣を地面に突き刺し、剣に向かってそう言った。剣を始めたときから使っているものだった。長年使っていたものだったので、ここで別れとなると残念だった。
そこで、5分ほど剣の前で黙祷し俺は、里にもどった。
里にもどると、まずは、長のところに向かった。
長は、自分の家でくつろいでいた。
「いつも、暇なんですか?」
長が、仕事をしているのを見たことがなかったので、思わずそう言ってしまった。
「む、そんなことはないぞ。ただ、おぬしがいるときだけたまたま仕事がないだけじゃ」
そう言われても、説得力はなかった。
「ゴホン、そんなことよりもなにか用があったのではないのか?」
長は、わざとらしく咳をして話を変えた。
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