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「……あなたは父を知っているんですか?」
僕の問に対して、クリックは微笑する。
「ああ……戦友とも言えるな。お前の父は今、とある惑星にいる」
父さんが戦友?
確かに父さんが今の僕くらいの時にはちょっと大規模な戦争があったらしいけど、どう見てもこいつの格好はアース人のものじゃない。
僕には〈戦友〉の意味がよく分からなかったが、クリックの説明によると父さんは今、ある惑星にいるらしい。
何をしているかまでは知らない……とクリックは言ったが、実際はどうか分からない。
「で、だ、クラッド。君は父さんを連れ戻したくはないか?どことも知らない惑星で、何をしているか分からない父を……」
「いえ、父には父の考えがあると思います。わざわざ僕が出しゃばって連れ戻す必要は無いでしょう」
そういってまた横を通り過ぎようとするが阻まれる。
「……父親とは性格が全然違うな、クラッド」
「……父さんは父さんだろ?僕は僕だ。関係ないね」
「……何がお前をひねくれさせる?かつてのお前はそんな奴ではなかっただろう?……その〈人〉でも〈エルディナ〉でもない〈存在〉がお前を変えたのか……?」
!?
クリックの言葉に僕は瞬時に反応し、掴み掛かっていた。
「……お前……何を知ってる……!?」
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