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「答えはYESかNOだ。それで答えろ」
クリックの名乗る男は私達を見た
優しそうな顔をしているけど、すごく涼しい目をしている。
その目で見られるのが痛かった……。
しかし、兄さんは全くお構いなしにクリックを怒鳴り付ける。
「……決まってんじゃねーか!!答えは〈YES〉だ!!クラッドが別の星にいるなら俺もこの星にいる必要はねぇ!!……〈親友〉だからな!!」
兄さんの目はクリックの涼しい目とは対照的に、ギラギラと燃えるような目をしていた。
昔から……この情熱的な瞳は変わっていない。
「そ、そうよ!!私だってクラッドが他の星にいるなら追いかけていくわ!!」
ちょっと、兄さんの勢いに押されながら私も宣言する。
クリックはフッ……とキザな笑いをして、私達にクラッドが今どうしているかを語り出した。
そして、クラッドを追いかけたければクラッドの家にある、古い宇宙船の履歴から20年前の行き先を割り出して、そこに行け……とのこと。
本人曰く、
「俺が飛ばしてやったら、自力で帰れなくなるだろ?」
……だってさ。
この突然の来訪者の話を信じるかどうかは、クラッドの自宅にある古い宇宙船……ってのを見てから判断することにした。
私と兄さんは着替えて支度して、外に出る。
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