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「でさ、公園まで来てなんの話するんだよ?」
クラッドがベンチに座りながら、不思議そうに俺に聞いた。
俺はブランコに乗りながら、奴に驚愕の事実を告げる……。
驚くだろうな……。
クラッド。
「実はさ……俺、ハタミ先輩のアド手に入れたんだ!!」
「え?!同じサークルのハタミ先輩?!」
そう……。
サークル1の美人と言われているハタミ先輩のアドを手に入れたのだ!!
「これで先輩は俺のモノだぜ……!!」
俺は思わずガッツポーズしてしまった。
「……コルベット」
クラッドが羨ましそうに俺の方を見ている!!!
「ふはははは!!いいだろ~~」
俺は携帯の電話帳をクラッドに見せ付けてやった。
「う~わ……本当に入ってる……」
「いいだろ~いいだろ~お前には教えてやらねーよ!」
「……いいよ。彼氏持ちの人に興味ないし。コルベット。頑張ってね」
……はい?
「……どゆことか10文字以内で説明してくれると嬉しいなぁ~~……」
ブランコが風で軽く揺れる。
近くにいた小学生三人が俺達を凝視していたが関係なかった。
俺はクラッドの言葉が自分の想像とかけ離れたものであることを期待する。
……が、希望はすぐに砕かれた。
「ハタミ先輩彼氏いるし」
……ぴったり10文字だった。
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