第7章 夏の日の贈り物(後)

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・・・ここじゃ分が悪い、と奏太が言い始めてそれに私が同調、渋る綾夏を強引に外へと連れ出して――向かった先は、近場の公園 「――まぁ、ここに来たところで別に何をするわけでもないわけだが……」 「一応、私は荷物持ってきたよ?」 「……奏太の部屋をもう少し探索すれば決定的弱みが見つかると思ったんだけど……」 ・・・三者三様。ってか、綾夏何気に怖いこと言わないでよ・・・ ――話は変わるけど、…8月といえども月末が近づくにつれて日の入りの時間も早くなってくるわけで――18時近くでもうすでに薄暗くなっていて・・・私たち以外の人影もない 「……、あの部屋の探索ができないなら私は帰るし…じゃね」 「んなっ…!?」 呆気にとられる私と奏太をよそに、こう言い残して綾夏は小走り気味に公園から出ていこうとして――・・・ 「――あ、一つ言い忘れてた。」 「「・・・?」」 不意に綾夏が振り返って―― 「いくらラブラブだからって、こんな場所でしちゃダメだよ―ww私みたいな興味津々な人間がいるんだからww」 …からかうように言って、もうダッシュで公園を出て行った。
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