桜井遥編 

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中庭の桜に着いた。 ちょうど桜は8分咲きだった。 「今度ここで昼飯食べようかな。」 そこにはベンチもある。早めに来ないと先に場所をとられそうだ。 「あ、あの…」 桜に見とれていたら、後ろから声がかかった。 「えっ…」 後ろを振り返ると、そこには昨日の美少女がいた。 「あの…もしかして…コウくん?」 (……俺を知ってる?) 「な…なんで、俺の名前を…?」 「やっぱりそうだ。その寝癖変わらないんだね」 戸惑いを隠せなかった。昨日遭遇した美少女が俺の名前を知っているということは、遂にモテ期…んなものはありえん。 「もしかして、私のこと忘れちゃった?」 「えーと…スマン…。」 「はるかだよ、桜井遥。幼稚園の時よく遊んだの覚えてない?」 その時、朝の夢を思いだした。 「もしかして、はるかちゃん…?」 目の前の彼女はニッコリして、 「久しぶり、コウくん」 その笑顔を見て、俺は少しドキドキしていた。 ちょうどその時予鈴がなった。 「あっ予鈴だ。教室に戻らないと…私A組なんだ。コウくんは?」 「俺はB組だけど…。」 「そっか、じゃあ早く教室に戻ろ、HR始まっちゃうよ。」 遥ちゃんは俺の手をつかみ、驚いている俺を教室へと連れていくのだった。
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