桜井遥編 

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HRが始まる前の休み時間。 遥ちゃんのクラスはA組。 リンのクラスはC組。 同じクラスに知り合いがいない。 寂しいものだ、席が一番後ろでとなりは見知らぬ女子生徒…話しかけられない……。意気地なしだという自覚はしている。が、自覚しているからといってそんなに簡単に治せるものでもない。 すると、前の席の黒縁メガネ男子が話しかけてきてくれた。 「ちょっといいか?」 「お、おう…?」 すると、顔近づけて聞いてきた。 (…近いな…) 気持ち悪いと思ったが抑えて話しを聞いた。 「なぜ、入学3日目で女子生徒二人と登校できるんだ!?」 「いや、なぜって…幼なじみってだけで…。」 「何!?キミにはあんな美少女二人の幼なじみがいるのか!?世の中は不公平だ!?なぜ僕の幼なじみが男だらけなんだ!!」 ………いきなり不満爆発だ。 「おっと…すまない、取り乱してしまった。」 「お、おう……。」 彼はメガネを直した。 「僕は尾田空也、オダでもクウヤでも好きに呼んでくれ、蒼井君。」 「よく名前覚えているな。」 自己紹介はこのクラスに来たときぐらいなのだが……。 「当たり前だクラス…いや、学級の生徒の名前はすべて把握した。」 「すげーな。」 「モテるためには当然だ」 …モテるためには当然なのか?とは思ったが流すことにした。 「…そうなのか、とりあえずよろしく、オダ」 「よろしく、アオイ君」 その時、先生が入って来た。 「おっと、いけない時間だ。」 オダは席を正した。
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