桜井遥編 

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俺達のクラスの担任は清水涼子先生。担当は現国。 俺の初見では、偏見があるとは思うが綺麗なお姉さんという感じだ。おそらく生徒からも人気はあるはずだ。だが、いつもにこやかな先生だが、最初のHRの時、ある男子生徒がやってしまった。それは、先生の自己紹介が終わり、質問タイムに移った時だった。 「清水先生、いくつですか?」 「秘密です。」 「あっ、じゃあ結婚は?」 「……………。」 「まだなんですね!?たいへ……。」 空気が凍るとはあのことだと初めて感じた。 「………な・ん・だ・て?」 「いえ!なんでもありません!」 敬礼までしてしまった男子生徒はほかでもない、尾田である。 確かにあの形相で睨まれたら、熊ですら怯むはずだ。 触らぬ神に祟りなし 心に刻む俺だった。 尾田も意気消沈していたが、2日で回復しているのはさすがというべきか…?
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