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『好きだ‼』
「ごめん‼」
あっけらかんとフラれてしまった今日このごろ。
俺は田村が好きだった。
「笹井<-ん。今終わったよー。待ってってばぁ」
(…今終わったって…泣)
でも俺は田村が笹井のことを好きなのは分かっていた。
分かっていた。
分かっていたのに。
やっぱり恋愛と友情は両立なんて無理なんだ。
次の日の朝
「おー‼持田。はよー」
『おっ笹井。はよ』
「なんだよ元気ねーじゃん。何かあったんか?」
『なんもねぇよ~』
(お前はー…泣)
笹井は鈍感な奴だった。
でもそんな笹井は俺の親友でとても憎めない奴でもあった。
「笹井<-ん‼おはよう。あっ持田くん、おはよう。」
『ぉ、おう。』
「笹井<んてさー…」
また笹井の話か。
てか、俺も懲りない奴だな。
前に田村が公園で小さな女の子と話していたのを見た。
その笑顔がとても綺麗で…
俺はそんな田村を好きになってしまった。
「なぁ、持田。お前将来なにになりたい?」
ふと笹井が俺に話しかけた。
『俺はー…なんだろな。』
『…お前はなんだよ。』
「…あはは‼俺も分かんねぇ」
意味が分からん奴だ。
でも、なんか言いたそうだった。
そう思えば、俺は笹井のことを何も知らない。いつも世話になっているのは俺で、笹井のことは何も知らなかった。
親友なのに…
その時ふと笹井が席を立った。俺は笹井のことを知りたいがためにつけてみることにした。
…トイレだった。
昼も笹井と一緒にご飯を食べたけど、何も変化はなかった。
親友を偵察するなんて、なんか馬鹿らしく思えてきた。
学校帰り、やっぱり笹井はいなかった。
何かあるのか?と思って笹井の家の道のりを通ってみた。
すると…
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