1話 始まりはいつも突然です。

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そんなこんなで、15分が過ぎた。 ダンス部はまだ踊り続けているが、ダンススクールメンバーは位置どりが終わったらしく、舞台から降りてきた。 「よし!蘭達も、動いて来い!適当でいいから。ただし、休憩なしな?」 「え!?」 「真之介さん、マジですか!?」 「当たり前だろ?お前達も同罪だからな。」 そう言うと、真之介は美羅の元に向かった。 「ねぇ…やっぱり真之介さんって…」 「多分ね。」 「わかりやすいよね。真之介さんって」 そんな会話が真之介の後ろを着いて行くダンススクール1年生の間でされていた。 「百合!ワンテンポ遅れてる!」 「はい!」 「夏美、いつまで振り間違えるの?」 「すみません!」 踊り続けの刑に処されるダンス部1年とそれに檄を飛ばす愛。その後ろではダンススクール1年も動いていた。 「何でダンススクールも動いてんの?」 『多分、あれじゃない?同罪的な?』 愛の隣で、同じように美羅も檄を飛ばしていた。 「当たり前だろ?ダンス部1年だけじゃかわいそうだしな?」 「!?ビックリした!!」 『私はあんたの声にビックリしたわ!…とりあえず、お疲れ様』 「サンキュ。」 美羅の近くに立つ真之介はそう言って、額の汗をTシャツの袖で拭う。 「…あんたは踊んないの?」 『…愛…』 「はいはい…」 よほど、真之介が気に入らない愛は美羅達から離れた。 『ったく…本当ゴメン。』 「気にすんなって。それより、ちゃんと自己紹介してないよな?俺は和田真之介。好きに呼んで構わないから。」 『わかった。私は…「お姉様…」殴られたい?』 「…冗談だって…頼むから、ぐーはやめてくれ…。」 『じゃあ、それで呼ばないで。私はあの子達しか許可してないから』 「はい…。でも、お前の事知ってるぜ?九条美羅だろ?蘭達から聞いてる」 『じゃあ、自己紹介必要ないじゃん』 「でも、ちゃんと自己紹介しとかないと、知人でもなんでもないだろ?」 『まぁね。』 「だったら、これでちゃんとした関係が出来たわけだ。」 『なるほどね。じゃあ、知人Aとして覚えとく(笑)』 「なんだそれ(笑)」 美羅と真之介は後輩達に時折目を向けながら談笑していた。
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