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そんなこんなで、15分が過ぎた。
ダンス部はまだ踊り続けているが、ダンススクールメンバーは位置どりが終わったらしく、舞台から降りてきた。
「よし!蘭達も、動いて来い!適当でいいから。ただし、休憩なしな?」
「え!?」
「真之介さん、マジですか!?」
「当たり前だろ?お前達も同罪だからな。」
そう言うと、真之介は美羅の元に向かった。
「ねぇ…やっぱり真之介さんって…」
「多分ね。」
「わかりやすいよね。真之介さんって」
そんな会話が真之介の後ろを着いて行くダンススクール1年生の間でされていた。
「百合!ワンテンポ遅れてる!」
「はい!」
「夏美、いつまで振り間違えるの?」
「すみません!」
踊り続けの刑に処されるダンス部1年とそれに檄を飛ばす愛。その後ろではダンススクール1年も動いていた。
「何でダンススクールも動いてんの?」
『多分、あれじゃない?同罪的な?』
愛の隣で、同じように美羅も檄を飛ばしていた。
「当たり前だろ?ダンス部1年だけじゃかわいそうだしな?」
「!?ビックリした!!」
『私はあんたの声にビックリしたわ!…とりあえず、お疲れ様』
「サンキュ。」
美羅の近くに立つ真之介はそう言って、額の汗をTシャツの袖で拭う。
「…あんたは踊んないの?」
『…愛…』
「はいはい…」
よほど、真之介が気に入らない愛は美羅達から離れた。
『ったく…本当ゴメン。』
「気にすんなって。それより、ちゃんと自己紹介してないよな?俺は和田真之介。好きに呼んで構わないから。」
『わかった。私は…「お姉様…」殴られたい?』
「…冗談だって…頼むから、ぐーはやめてくれ…。」
『じゃあ、それで呼ばないで。私はあの子達しか許可してないから』
「はい…。でも、お前の事知ってるぜ?九条美羅だろ?蘭達から聞いてる」
『じゃあ、自己紹介必要ないじゃん』
「でも、ちゃんと自己紹介しとかないと、知人でもなんでもないだろ?」
『まぁね。』
「だったら、これでちゃんとした関係が出来たわけだ。」
『なるほどね。じゃあ、知人Aとして覚えとく(笑)』
「なんだそれ(笑)」
美羅と真之介は後輩達に時折目を向けながら談笑していた。
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