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「そういえば、何でダンス部は美羅をお姉様って呼ぼうと思ったんだ?」
『いきなり、呼び捨て?』
「ん?じゃあ、美羅ちゃんがいいか?」
『…美羅でいい』
「了解。で、さっきの話なんだけど…」
『ん?あー。うん』
「?」
歯切れの悪い返答しか返さない美羅。
それを覗き込むように顔近づける真之介。
「何?何かしたの?」
『…何かしたというか…イベントとか大会とかで寄ってくる変な男にタンカ切ったり?ナンパされて困ってる後輩を助けたりしたぐらいかな?…』
「何気に危ない事してんな…」
『ん?そっか?』
「うん。かなり。そんだけすれば、後輩に慕われるか。」
『…後輩に慕われたくてするんじゃなくて、困ってる人をほっとけないだけ…』
「…美羅…お前…いいヤツだな。」
『そんなことない…てか、顔近い!!』
「あっ、悪い」
顔を離すと、美羅の頭に手を置く真之介。
「でも、あんま危ない事すんなよ?」
『わかってる…てか、頭に手を置かないでくれる?嫌みにしか見えない』
美羅の身長→157cm
真之介の身長→178cm
身長差20cm以上。
何気に自分の身長にコンプレックスを抱く美羅にしてみれば、頭に手を置くという行為は嫌みでしかなかった。
「いや~可愛いなと思って。想像してたよりも♪」
『はぁ!?誰の!?どこが!?』
「美羅の後輩のこと話す時の表情とか、照れてる顔とか♪」
『照れてないから!!!!』
「照れてただろ?さっき(笑)」
『照れてない!!!!』
「はいはい。そういうことにしとくか(笑)」
『っー///!!』
ダンッ!!
「いっ!!美羅!!てめぇ!」
『ふんっ!!人をからかうからだ!』
真之介の足を思いっきり踏みつけ、愛達の所まで行く美羅。
そんな美羅を追った真之介が再び美羅の頭に手を置き、美羅から肘打ちを食らったのは言うまでもない。
「美羅さん…マジ痛いッス…」
『自業自得!!』
「お二人さん…今は部活中だからいちゃつくなら終わってからに…。ばっ!ちょっ!美羅!シューズ投げんなって!!」
『うっさい!!愛!!いちゃついてないし!』
「美羅先輩!!頑張れ~」
「あんた達止めなさいよ!?」
「だって…」
『『面白そうなんだもん♪』』
楽しそうに笑う1年生。
美羅から逃げる愛。
それを見て笑う真之介達。
今日も1日平和です。
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