1話 始まりはいつも突然です。

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「そういえば、何でダンス部は美羅をお姉様って呼ぼうと思ったんだ?」 『いきなり、呼び捨て?』 「ん?じゃあ、美羅ちゃんがいいか?」 『…美羅でいい』 「了解。で、さっきの話なんだけど…」 『ん?あー。うん』 「?」 歯切れの悪い返答しか返さない美羅。 それを覗き込むように顔近づける真之介。 「何?何かしたの?」 『…何かしたというか…イベントとか大会とかで寄ってくる変な男にタンカ切ったり?ナンパされて困ってる後輩を助けたりしたぐらいかな?…』 「何気に危ない事してんな…」 『ん?そっか?』 「うん。かなり。そんだけすれば、後輩に慕われるか。」 『…後輩に慕われたくてするんじゃなくて、困ってる人をほっとけないだけ…』 「…美羅…お前…いいヤツだな。」 『そんなことない…てか、顔近い!!』 「あっ、悪い」 顔を離すと、美羅の頭に手を置く真之介。 「でも、あんま危ない事すんなよ?」 『わかってる…てか、頭に手を置かないでくれる?嫌みにしか見えない』 美羅の身長→157cm 真之介の身長→178cm 身長差20cm以上。 何気に自分の身長にコンプレックスを抱く美羅にしてみれば、頭に手を置くという行為は嫌みでしかなかった。 「いや~可愛いなと思って。想像してたよりも♪」 『はぁ!?誰の!?どこが!?』 「美羅の後輩のこと話す時の表情とか、照れてる顔とか♪」 『照れてないから!!!!』 「照れてただろ?さっき(笑)」 『照れてない!!!!』 「はいはい。そういうことにしとくか(笑)」 『っー///!!』 ダンッ!! 「いっ!!美羅!!てめぇ!」 『ふんっ!!人をからかうからだ!』 真之介の足を思いっきり踏みつけ、愛達の所まで行く美羅。 そんな美羅を追った真之介が再び美羅の頭に手を置き、美羅から肘打ちを食らったのは言うまでもない。 「美羅さん…マジ痛いッス…」 『自業自得!!』 「お二人さん…今は部活中だからいちゃつくなら終わってからに…。ばっ!ちょっ!美羅!シューズ投げんなって!!」 『うっさい!!愛!!いちゃついてないし!』 「美羅先輩!!頑張れ~」 「あんた達止めなさいよ!?」 「だって…」 『『面白そうなんだもん♪』』 楽しそうに笑う1年生。 美羅から逃げる愛。 それを見て笑う真之介達。 今日も1日平和です。
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