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練習を始めて30分
ダンススクール生が来る気配はない。
「来ないですね…」
「来なくていいよ」
真顔で呟く愛。
『そんなこと言わない。』
「美羅先輩はどうなんですか?」
『?何が?』
「愛先輩は、あれじゃないですか?だから、美羅先輩はどうなのかなと思って…」
美姫は寂しそうに呟いた。
美姫はダンススクール生と仲がいい。
他の1年部員も同じクラスにダンススクール生がいたりするため、ダンススクールの1年生と仲がいい。
そんな中自分たちの先輩が友人をあまり良く思わないのは悲しいのだろう。
『んー。私はどっちでもないかな?同じようにダンスをする人としては尊敬するけど、一個人としてはなんとも言えないかな?』
「どうしてですか?」
『じゃあ、琉威は初対面の人を会ってすぐ信頼できる?』
「…できないです。」
『でしょ?人を信頼するのは、人に信頼されたりするのと同じ位難しいの。』
そう言って笑う美羅の顔はどことなく悲しみを含んでいた。
「先輩?」
『ん?』
「何かあったん『来た…』え?」
美羅の視線の先には、美姫に走って突っ込んでいく女子がいた。
「美姫ー!」
『蘭!!』
ハイタッチを交わす2人。
そして、蘭の後ろから来る7人。
「おい。蘭、挨拶したか?」
そう言ったのは7人の中で唯一の男子。
「ごめんなさーい。真之介さん」
そう言って、美羅と愛を見る。
「はじめまして。愛先輩、美羅先輩。東堂蘭です。」
『よろしくね。愛…』
「はいはい…」
面倒くさそうに、真之介の前に行く愛。
「えっと、うちの方はもう位置どりは終わったから勝手に…っ!ちょっと!!美羅!なんで殴るの!」
愛の後ろには、ぐーを構えた美羅の姿。
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