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『態度最悪。部長がそんなんでどうすんの?』
「だからって、ぐーで殴る!?」
『殴るわよ?あんたは部長なの、部長は部の模範的存在。あんたの態度が部の評価にも繋がる。わかってる?』
「だって…『だってもコケシもない。』
ピシリと言い放つ美羅の態度は部長より部長らしい。
『変な意地なんて張ってる暇あるわけ?限られた時間の中でやるべき事はたくさんあるんだから…。』
小さくなる愛を余所に美羅は真之介を見つめる。
『すみません。私達はもう終わってるので今すぐ位置どりに入って下さい。』
ポカーンとするダンススクールメンバー。
それもそうだろう。
愛に対する態度と打って変わって、笑顔と丁寧な言葉で応対する美羅。
『?どうかしましたか?』
「え…いえ…、ありがとうございます。」
そう返したのは真之介だった。
『気にしないで下さい。その後はどうします?位置どりだけならすぐ終わるでしょ?ここで練習するなら場所をあけますけど?』
「ダンス部の方は?」
『今日ですか?今日は動きの確認が主ですから、場所は気にしないで下さい。』
「…」
『どうしました?』
「敬語…」
『え?』
「疲れねぇか?」
キョトンととする美羅。
『(何を言い出すかと思えば…)』
「タメなんだし、気楽にしようぜ?」
そう言って笑う真之介。美羅は静かに頷いた。
『わかった。で?どうするの?』
「俺たちとしては、そうさせて貰えると助かる。」
『愛…』
美羅は振り返って、ニッコリと(それはもう嫌とは言わせねえよと目でいいながら)笑いかけた。
「っっっ!?わかった!!わかりました!!」
「?じゃあ、部長さんの許可もおりた事だし、舞台に…蘭?葉月?どうした?」
『美姫?琉威?』
「てか、1年だけで何の作戦会議してんの?」
2年生3人から離れて円を組んでる1年生。
時々聞こえてくる会話には、お似合いだの、お姉様だの、同盟だの、姉貴だの意味不明な単語が入っている。
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