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「だ~か~ら~、何回説明したら信じてくれるんですかぁ~」
と、言われても
「普通こんな説明信じられないよ」
「む~~」
目の前の少女は顔を膨らませ、黒のメイド服ごと体を揺らし、怒っている。
そんな顔されても……
「君が『願いを叶える力』を持っている『悪魔』だなんて、聞いただけじゃ信じられないよ」
そりゃ、いきなり「悪魔」、それも「願いを叶える力」を持つだなんて………
大体の人間はそんな説明だけでは信じないだろう。
「じゃあじゃあ、どうしたら信用してくれますかぁ?」
信用……って言ってもなぁ。
「……それなら、君の持ってる力、見せて貰える?」
「……それは無理です」
………わけが分からない。
「何故、見せられないの?」
自称悪魔のメイドは、少しうつむき気に、後ろ髪を結ぶ白いリボンを触りながら、こんな説明をした。
「私達の願いを叶える力は、人間が心から願うことにしか働かないんです。
だからその願いを聞き、本心か確認もしなきゃいけないんです」
なるほど、大体の筋は通る。
「でも、何故僕の所に?」
「それは……内緒です」る必要があるか分からない。
でも何故か、この自称悪魔、疑いきれない感じがした。
そのせいか、僕はいつの間にか、こんなことを聞いていた。
「じゃあ……
僕は『この世に存在しなかった』
ことにできる?」
「……………は?」
最初の僕と同じリアクションはやめてくれ。
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