第1章

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第二新東京市は階層状になっており、一階層の高さはそれぞれ2km。合計で第五階層まである。 一階層の面積は、東京23区とほぼ同程度。つまり地下に東京23区が5つあることになる。 それぞれの階層には特徴があり、 第一階層は農業。 第二階層は学業。 第三階層は商業。 第四階層は行政。 第五階層は工業。 このようにに特化している。 オレたちが目指すのは、第二階層の学業特区。 23区の広さ全てに、第二新東京市の小中高大全てが揃っている階層だ。 『ご乗車ありがとうございました。第二階層、第二新宿区に到着いたします。お忘れ物などなさいませぬよう、ご注意ください』 「深鈴、着いたぞ」 「んー? んー」 「眠そうだな」 「やきにくー……」 あ、本当に寝やがった。 つかそんな楽しみか焼肉……。 オレは深鈴を抱きかかえ、出口に群がる人混みの一員となる。 改札のようなものはなく、エレベーターを降りれば、そのまま地下世界へ突入だ。 地下とは言え、そこに暗い雰囲気は一切ない。 天井一面がスクリーンとなっており、外の空の風景を生中継しているからだ。故に、夜や夕方もこの地下世界には存在する。 ただし、空模様が雨でも雷でも、こちらは年中晴れているのだが。 空を見上げると、宙にはいくつもの透明で円形のチューブが駆け巡っており、その一本一本が階層を支えると同時に、地上や階層同士の連絡通路路となっている。 これはおまけだが、この第二新東京市では、直径1Kmの4本の巨大な鉄塔が全階層を貫いており、それが階層を支える主軸となっていた。
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