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「蒼夜と紅子はいるのか?」
オレの問いには頼が答えてくれた。
「そうちゃん と、こうちゃん は先に行ってるってさ」
「人を待つということを解さぬだろうからな」
頼と野乃夏は呆れ気味にため息をついた。
構内にある10階建ての2号館が、研究棟だ。
目指す『夜音研究室』は、この中の10階の端にある。
特別に一回り大きいその研究室は、別名『変態部屋』。
毎年毎年、奇人変人を擁する研究室が叩き込まれる部屋なのだった。
廊下を歩き、研究室の前へ。
ノックもせずに中へ入ると、本棚や研究資料で雑然とした室内が広がっている。
1人に1つずつのデスクが並んでいたり、図面を引くスペースや、ソファやテーブルのある休憩スペースがあるが、そのいずれも非常に散らかっている。
そんな研究オンリーの変態部屋には今、2人の人間がいた。
「あ、頼くん、光遥くん、野乃夏ちゃんに深鈴ちゃん。みんな一緒に来たんですね」
「……」
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