序章

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△▼△ 「鬼ごっこしよっ!」 ヤツが……ヤツがあのセリフさえ吐かなければ、こんなことにはならなかったのに。 クソッ!! 味方はあとどれだけいる!? ヤツの魔の手から逃れたのはオレだけか!? 「みっちゃーん」 「ッ!!??」 嘘だろ!? いくらなんでも速過ぎる!! は、早く逃げなければ……!! 殺されはしないまでも恐ろしい目に遭うのは確実だ。 オレはビルの屋上から飛び降り、地面へと着地。舗装にヒビが入ったがそんなことは知らん。 路地裏から飛び出し、幹線道路を幅跳びで横切ると、幹線道路の上を走る高速道路へ跳び上がった。 距離的には500m程度の移動だ、ヤツ相手にこの距離では―――― 「みっちゃん見っけ!!」 ズォワァッ!! ――……オレは『全身が総毛立つ』感覚を、初めて味わった。 ゆっくりと、オレは背後に振り向く。
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