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「依頼って、どういうこと?」
頼の言葉に対し、夜音先生は右手を少し上げた。
「僕のところにとある実験依頼が来てね、君達と、君達のその《Hooligans》を使って実験して欲しいことがあるんだ」
ん? 《Hooligans》を使って実験?
こう言う言い方なのだから、《Hooligans》自体の実験ではないだろう。
ならば、何の実験だ?
「下らない力学実験ならお断りだぞ」
オレがため息混じりにそう言うと、夜音先生は苦笑した。
「先週の物理学実験の講義、そんなにつまらなかった?」
「深鈴がいなかったら、絶対に帰ってたな」
おお怖、と先生はうそぶいた。
「じゃあ実験の内容なんだけど、コイツの威力を計測したいらしいんだよね」
と、先生が左手に持っていたアタッシュケースを掲げて見せた。
「中には、何が……?」
蒼夜は警戒するような口調だった。
確かに、オレもあの黒い特殊合金製のアタッシュケースからは悪意が感じられる。
まるで、中に爆発物が入っていますと言わんばかりの外見じゃないか。
「あははっ、さっすが神藤くん。大当りだよ」
夜音先生は明るく笑い、おもむろにアタッシュケースを開いた。
中に入っていたのは、長方形の薄い箱3つだった。
銀色の金属で出来たそれは、面積は大きめの手帳サイズで、厚さは2cm丁度くらいか。
二段になっていて、上段の一回り小さな段がボタンになっているようだ。
「……」
ふと、紅子が興味を示したように、その箱に近づいてゆく。
深鈴もそれに続いて、箱をしげしげと眺めていた。
「……」
しばらくした後、紅子はオレたちに振り向いて、グッ、と親指を立てた。
完全に爆発物らしい。
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