Episode1:出会い。

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「いいや。 『名は体を現す』ってね」 ニヤニヤと笑いながらターゲットは直真に言った。 「……やっぱり、嫌味じゃないか」 直真はニヤニヤするターゲットに若干苛立ちを感じていた。 「コラコラ。 話は最後まで聞く。 ガッコで習わなかったか?」 鎌の柄の方でターゲットは直真の頭をぐいっと押した。 「意外と真面目なんだな」 ターゲットの鎌の柄を押し返しながら、直真はうんと納得したように頷いた。 「『意外と』は余計だ。 『意外と』は!」 くるくるっと鎌を棒のように頭上で回し、ターゲットは鎌を持ち直した。 「本題をどうぞ」 ターゲットの妙な動きを気にするでもなく、直真は話を進めた。 「……っち。 一々、カンに障る奴だな」 直真の素っ気ない態度に、ターゲットは舌打ちした。 「そんな俺に絡むお前も悪い」 負けじと直真も言い返す。 「あーあーあー! また『お前』って言った!」 いきなり取り乱し、ターゲットは高速で直真の周りを回った。 「あ、すまない。 悪かったな」 目が回りそうになりながらも、直真はきちんと謝った。 「ほらね」 高速回転していたターゲットはピタリと止まり、直真の目の前でふわふわと浮いている。 「あ?」 意味がわからず直真はア然とした。 「根から極悪非道な奴はここで謝ったりなんかしない。 素直に謝る直真は、名前の通り純粋で真っ直ぐな奴なんだよ」 今度は鎌の柄で直真の胸を押した。 「……っち、調子狂うぜ」 「ぬっ?!」 がしっ。 直真は半ば強引にターゲットから鎌を取り上げた。 くるくるくる…… 直真が徐に投げると、鎌は何故かブーメランのように回転しながらターゲットの頭をすり抜け飛んでいった。 ぱしっ ターゲットの後頭部を目掛けて戻ってきた鎌を、振り返りもせずにキャッチした。 まるで、ターゲットは鎌の動きを知っていたかのようだ。 ……というより、直真は鎌が生きてるように錯覚してしまいそうだった。
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