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毎日のように借金の取り立てが来て、幼い二人は身を寄せていた。
そんなある日……。
両親は無理心中をした。
当時10歳だった直真と20歳だった和樹は大きなショックを受けた。
親戚中から借金をしていた野中家は養子として迎え入れてはもらえなかった。
むしろ、毛嫌いされていた。
成人していた和樹は二人暮らしを決意した。
借金は自己破産し、親戚から借りたお金は和樹が働きながら返す事になった。
その頃から、直真は学校でイジメられるようになった。
理由は……。
『両親がいない』
ただ、それだけだった。
ただ、それだけの理由で直真はイジメられていた。
イジメに関して先生は見てみぬふりをした。
それは自分の『教職』という立場を守る為だったのかもしれない。
生活もやっと基盤が出来、安定してきた事を直真は幼いながらも感じていた。
直真は大好きな和樹にすらイジメられている事を打ち明けられなかった。
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