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直真は『非行』に走る事でイジメに対抗した。
自分が気に入らない奴、自分に危害を加える奴には容赦なく『制裁』を与えた。
スリ、万引き、恐喝、障害事件……。
時には少年院送りになる事もあった。
その度に和樹は頭を下げ、謝罪し社会から白い目で見られていた。
しかし、和樹は直真を頭ごなしに叱ったりはしなかった。
それが和樹の優しさだったのかもしれない。
真面目で黙々と働く和樹とグレて世間から冷たい目で見られる直真。
二人はいつも比べられていた。
比べられる事で更に直真は心に傷を負った。
本当の直真の心を知らない人達の容赦ない攻撃に、直真はただただ堪えるしかなかった。
堪えて堪えて堪え凌ぐ。
それが直真が選んだ道だった。
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