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玉座の前に通されたルッカたちは、ガルディア王を前にして少し緊張していた。
「では、話を聞かせていただけますか?」
アリーチェが柔かな口調でマールに話し掛けた。
「信じてもらえないかも知れないですが……。」
マールは二人の娘だと言うことをためらった。
「信じられないと思いますが……私はガルディア33世とアリーチェ王妃の娘なんです。」
「どういうことだね?」
ガルディア王の顔が少し険しくなった。
「うまく…いえないんですが…別の世界では、私は二人の娘なんです。でも、母上はすでに亡くなっていて、今は父上と二人、お城で暮らしています。」
「それは……本当なのでしょうか?」
「はい。そして、私たちは元の世界に戻るためにマールディア王女を探しているのです。」
「信じがたい話だが…君の瞳は嘘を話すようにはみえぬな…。確かに、マールディアの瞳にそっくりだ。」
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