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「お力になれず、申し訳ありません。」
「他に困ったことがあれば、なんでも言ってくれ給え……。それしか、今君たちに出来ることはないのだ。すまない…。」
一国の王と王妃はルッカたちに頭まで下げた。
するとマールがおもいっきり笑顔になって言った。
「悲しい顔しないで!私はここに居るじゃない!私だって、母上に会えてすっごく嬉しい。こんなこと無かったら、元気な母上に会えるなんて事は絶対に考えられなかったから。会いたくても会えなかったから。私、今幸せ……。」
「マールディア!!!」
王妃は両手をいっぱいに広げ、マールはその胸に飛び込んだ。
「母上……じゃなくて、ママって呼んで良い?」
「好きな様に呼んでちょうだい…。」
二人は泣きながら抱き合った。お互い別の世界の者とは言え、母子は再開したのであるから。
「今日はみんな泊まっていきなさい。」
ガルディア王は温かな瞳でマールに向かって言った。
その晩は、ルッカたちは客室で眠り、マールはアリーチェの寝室で眠ることになった。
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