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翌朝ルッカたちは、ガルディア城を出た。
マールは城を出る前にアリーチェとの別れを惜しんでいた。
アリーチェと会えたことでマール自身の気持ちが強くなったのも、事実だった。
「さて…ルッカ様に会いにでも行きますか…?」
振り出しに戻ったルッカたちは、こっちのルッカの家へと向かうことにした。
クロノはルッカの家に行くと決めたとたん、自宅へ戻ると言い帰ってしまった。
ルッカは家の前に来て、立ち止まった。
「どうしたの?ルッカ。」
「ん?いや…その…自分の家とは言え人様の家じゃない?さっきは何も考えずに入っちゃったけど…。」
「うふふ。ルッカの苦手なものって自分だったのね。」
「あと、カエルもね!」
マールに見透かされたルッカは、そう言って苦笑いをしながら扉を開けた。
中に入ると、こっちのルッカとタバンが何やら作業をしていた。
するとこっちのルッカがルッカたちに気付いた。
「あぁ、やっぱり来てくれると思ってたの!やっぱり、ルッカ様は天才ねこんな物発明しちゃうなんて。」
「自分が言ってるのをみてると、憎たらしくなってくるわね…。」
ルッカはこっちのルッカに嫌味っぽく言った。
「なぁにそれ?」
マールはこっちのルッカが何か手に持っている事に気付いた。
「よくぞ聞いていただけました!」
こっちのルッカは待ってましたと言わんばかりに、話しはじめた。
「これは時空座標確認装置と言いまして、物体が本来あるべき座標を確認できる装置なのよ」
ルッカはこの説明で分かったようだが、マールとロボはなんのことか分かってない様であった。
「例えば航海に出たとするわね?そう言うときは、地球の何処にいるのかって、方位や座標を確認すれば、自分が今地球のどこにいるのか一目瞭然よね?」
「うんうん!?」
マールとロボは一生懸命にこっちのルッカの説明を聞いている。
「これは、ここが時空という大きな器の中のどこに位置するか調べられるの!しかもこれのすごいところは、物体が本来あるべき座標もわかっちゃうところなの!この金属の部分を調べたい対象物にかざす、すると30秒くらいで結果がでるの。誰か試してみる…?」
「はーい、私やるっ!」
マールは率先して手を挙げた。
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☆☆ 『時空座標確認装置』 ☆☆
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