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「ますは…目盛りを現在位置に合わせる。そして対象物にかざす…今回はマールさんね。」
【タダイマケイソクチュウ】
マールはちょっとどきどきしながら結果が出るのを待っている。
ピピッ
「さぁ、30秒たったわ。」
「見せてみせて!」
マールは装置の画面を覗き込んだ。
「なぁにこれ?さっぱりわからないよぅ。」
「じゃあ次にマールさんの、本来居るべき座標を計測するわよ。目盛りを存在位置にして、これ以降は手順は同じよ!」
ルッカは、こっちのルッカの発明を悔しながらに見ている。
【タダイマケイソクチュウ】
ピピッ
「これでマールさんの存在位置がわかったわ。そしてこういう結果になったの、
『現在位置:Z(D:14:A.D.1000-14:32:22)』
『存在位置:Z(D:17:A.D.1000)』
現在位置の場合は細かい時間も表示されるわ。
Zは時空全体を表していて、これは何処にいても統一ね。そしてDと言うのは時間軸群を表しているの。無数に存在してると言われていたけど、消滅した時間軸群を抜かせば、アルファベットと数字の組み合わせで表せる数だけの様ね。アルファベットのとなりの数字は時間軸単体を意味するの。
そのあとの表示は、紀元前と紀元後に分けて年数が表示されるしくみだわ!」
「さすが私、やるじゃないの!どうやってこんなものを発明したの?」
「表に停まってる、飛行船をちょっと拝見させてもらったわ。あれは今の技術じゃ造れないはずよね…?まさか未来の技術者が造ったとでも!?」
「その通りよ!」
「あなた達は、本当に時間を旅できるのね…羨ましいわ…。」
「でもこの時代には、時空の歪みすら存在しないわ…私たちは戻れるのかしら…。」
「弱気にならないでよ、私!!そのためにコレがあるんじゃない!」
「まだ使い道があるの?」
「あるわよ~!時空のちょっとした歪みも逃さず探す事もできるのよ!」
「すっ、すごぉーい!」
マールは手をパチパチたたいて、飛び跳ねながら喜んでいた。
「時空探知モードに切り替えると、歪みを探知してくれるの。その場所に近づくに連れて音が早くなるわ。半径500メートル以内になると、音が鳴り出すだすしくみよ!」
「ねぇねぇ、やってみてよ!」
「そうね…まだ試したことないし、やってみましょう」
時空探知モードにしたとたん、音が鳴りだした。
ピッ…………………………………………………………………………ピッ…………。
「ってことは、近くにあるってことぉー!?」
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