☆時の歪み

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「ますは…目盛りを現在位置に合わせる。そして対象物にかざす…今回はマールさんね。」 【タダイマケイソクチュウ】 マールはちょっとどきどきしながら結果が出るのを待っている。 ピピッ 「さぁ、30秒たったわ。」 「見せてみせて!」 マールは装置の画面を覗き込んだ。 「なぁにこれ?さっぱりわからないよぅ。」 「じゃあ次にマールさんの、本来居るべき座標を計測するわよ。目盛りを存在位置にして、これ以降は手順は同じよ!」 ルッカは、こっちのルッカの発明を悔しながらに見ている。 【タダイマケイソクチュウ】 ピピッ 「これでマールさんの存在位置がわかったわ。そしてこういう結果になったの、 『現在位置:Z(D:14:A.D.1000-14:32:22)』 『存在位置:Z(D:17:A.D.1000)』 現在位置の場合は細かい時間も表示されるわ。 Zは時空全体を表していて、これは何処にいても統一ね。そしてDと言うのは時間軸群を表しているの。無数に存在してると言われていたけど、消滅した時間軸群を抜かせば、アルファベットと数字の組み合わせで表せる数だけの様ね。アルファベットのとなりの数字は時間軸単体を意味するの。 そのあとの表示は、紀元前と紀元後に分けて年数が表示されるしくみだわ!」 「さすが私、やるじゃないの!どうやってこんなものを発明したの?」 「表に停まってる、飛行船をちょっと拝見させてもらったわ。あれは今の技術じゃ造れないはずよね…?まさか未来の技術者が造ったとでも!?」 「その通りよ!」 「あなた達は、本当に時間を旅できるのね…羨ましいわ…。」 「でもこの時代には、時空の歪みすら存在しないわ…私たちは戻れるのかしら…。」 「弱気にならないでよ、私!!そのためにコレがあるんじゃない!」 「まだ使い道があるの?」 「あるわよ~!時空のちょっとした歪みも逃さず探す事もできるのよ!」 「すっ、すごぉーい!」 マールは手をパチパチたたいて、飛び跳ねながら喜んでいた。 「時空探知モードに切り替えると、歪みを探知してくれるの。その場所に近づくに連れて音が早くなるわ。半径500メートル以内になると、音が鳴り出すだすしくみよ!」 「ねぇねぇ、やってみてよ!」 「そうね…まだ試したことないし、やってみましょう」 時空探知モードにしたとたん、音が鳴りだした。 ピッ…………………………………………………………………………ピッ…………。 「ってことは、近くにあるってことぉー!?」
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