☆時の歪み

5/10
前へ
/89ページ
次へ
二階に上がると探知機は、さらに反応が強くなった。 ピッピッピッピッピッ…… 「やっぱり、クロノの部屋だよ!…あれ、クロノは?」 「クロノはどこかしら?」 クロノの姿が見えないので、ロボとルッカはきょろきょろ辺りを見回している。マールは、音を頼りに歪みを探していた。 ピッピッピピピピピピピ… マールがクロノのベッドに探知機を向けると、かなり反応が大きくなった。 「ここ!?」 「ここに歪みがあると!?」 ルッカたちがいくら目をこらしても、歪みなど見えなかった。 「ベッドの下なんて事あるの!?」 マールがベッドの下を覗くと、確かにそこに時の歪みは存在した。 「あのルッカも…やるわね…。」 「この空間…どこに通じてるのかな?」 「クウカンニカザセバ、ジダイガワカルノデハ…?」 「そっか!やってみようっ!」 マールは歪みに装置の先端をかざした。 【タダイマケイソクチュウ】 三人は結果か出るまでの30秒間を心待ちにした。 それでいて、不安もあった。 どんな時代に通じようが、飛び込まなければ道は開けないと分かっているからである。 ピピッ 【ERROR】 「時間と時間をつなぐ道だから、測定できないってわけね…。」 三人は顔を見合わせた。 飛び込むしかないと…。 そうしてロボはベッドを退かした。 ゲートホルダーを取り出したルッカは、歪みにかざした。 そして大きく口を開いた時の歪みへと三人は入っていった。 これが、元の世界に戻るための一歩と信じて…。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加