121人が本棚に入れています
本棚に追加
二階に上がると探知機は、さらに反応が強くなった。
ピッピッピッピッピッ……
「やっぱり、クロノの部屋だよ!…あれ、クロノは?」
「クロノはどこかしら?」
クロノの姿が見えないので、ロボとルッカはきょろきょろ辺りを見回している。マールは、音を頼りに歪みを探していた。
ピッピッピピピピピピピ…
マールがクロノのベッドに探知機を向けると、かなり反応が大きくなった。
「ここ!?」
「ここに歪みがあると!?」
ルッカたちがいくら目をこらしても、歪みなど見えなかった。
「ベッドの下なんて事あるの!?」
マールがベッドの下を覗くと、確かにそこに時の歪みは存在した。
「あのルッカも…やるわね…。」
「この空間…どこに通じてるのかな?」
「クウカンニカザセバ、ジダイガワカルノデハ…?」
「そっか!やってみようっ!」
マールは歪みに装置の先端をかざした。
【タダイマケイソクチュウ】
三人は結果か出るまでの30秒間を心待ちにした。
それでいて、不安もあった。
どんな時代に通じようが、飛び込まなければ道は開けないと分かっているからである。
ピピッ
【ERROR】
「時間と時間をつなぐ道だから、測定できないってわけね…。」
三人は顔を見合わせた。
飛び込むしかないと…。
そうしてロボはベッドを退かした。
ゲートホルダーを取り出したルッカは、歪みにかざした。
そして大きく口を開いた時の歪みへと三人は入っていった。
これが、元の世界に戻るための一歩と信じて…。
最初のコメントを投稿しよう!