死への切符(チケット)

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人は生まれていくるため生へのチケットを切られる しかし・・・ 生まれた瞬間、それは死へのチケットへとすり替わる 物心付いた頃・・・ 世のもの、心に思い悩まされる なぜ生まれたのだろう・・・ なぜ苦しいのだろう・・・ 傷と痛みが螺旋を描く 負の螺旋階段から足を伸ばす・・・ 車両の二階も他人すらいない 二階は『表』・・・ 一階は『裏』・・・ 人間(ヒト)の表裏を傷が感じ取る・・・ そのときもまた孤独(ヒトリ) 近くで滴(ナミダ)の音がする・・・ その女性(ヒト)はまだひとり振り返ってこぼれる光・・・ 温かい? 僕の目からも水の音・・・ 触れるのはなに? 表裏の狭間でにじむ色・・・ 黒から白へ闇から光へ 人が交差する、チケットと共に、レールは重なる・・・ 差した光と共に知る、人は温かい・・・ 闇から出て思う、レールの上に風が吹いている、越えられる壁が当たって来ている・・・ 近づいては遠のく他人(ヒト)のレール、差すたび知る希望の光・・・ 人はなぜ生まれるのか? 人はなぜ死のために進むのか? トンネルを抜けるは光では無い・・・ レールの出口は『再』の無い『無』 彼らは知らなかった、『今』以外は無なのだと・・・ チケットを切るから人に触れられた・・・ 『無』から『生』へ 『生』から『無』へ 無があるから今がある・・・ 今があるからあなたといる・・・ あなたといるから気持ちが膨らむ・・・ 愛に気づいて螺旋を昇る。二人で足を段に乗せる・・・ 車両の二階は二人ぼっち、レールは二人分、 愛を乗せつつ、レールは無へ・・・
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