2905人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?どうしたの?」
店のバックルームに入ると、店長が少し驚いた様子で聞いてきた
「いや、財布を忘れちゃって…」
「そっかそっか、ヒサシ君も意外にドジだなぁ」
「あはは…」
ロッカーから財布を取って、バックルームから出ようとした時だった
「お疲れ様でーす。あれ?ヒサシくんじゃん」
美沙子が入ってきた
「あ、お疲れ様です。あがりですか?」
「うん。ヒサシくんはどうしたの?」
「財布を忘れちゃって」
「そーなんだ。じゃあ、私もうあがるから、ご飯に付き合ってよ」
ヒサシは驚いた。まさか美沙子から誘ってくるとは考えもしなかったからだ。
「いいですよ」
冷静を装って返事をしたが、内心は嬉しくてたまらなかった。
「じゃあちょっと待ってて」
「はい」
そう言って美沙子はロッカールームへ入っていった
「ふぅ~ん」
店長はニヤニヤしながらヒサシを見ていた
「……なんですか?」
「別にぃ~~」
ヒサシはちょっと恥ずかしかった
最初のコメントを投稿しよう!