10th Love ~都筑 秀の場合~

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  「上野課長ってば、おっかしーんだぁ!ね、真央ちゃーん」 あははと弾けるように笑うのは、山口千明だ。 会社での冷静沈着な印象とはえらく違う。 腹を抱えて大声で、馬鹿みたいに笑ってる。 いつもの無愛想な感じよりずっと親しみが持てて、これはこれでいいのかもしれない。 ……が。 これは明らかに、自棄だ。 さっきから、ビールを飲むペースが尋常じゃない。 「おい、飲み過ぎだぞ。高校生の前でみっともない」 現に、向かいに座る上野と真央ちゃんも、さすがに苦笑いだ。 「なんなんですか、都筑さん。なんでそんな突っかかってくるんれすか!」 「はいはい。それはあんたの方」 とうとう呂律もまわらなくなってきたらしい。 おまけに絡んでくる始末。 ただ、項垂れる彼女に呆れつつも、放っておけないから厄介だ。
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