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「上野課長ってば、おっかしーんだぁ!ね、真央ちゃーん」
あははと弾けるように笑うのは、山口千明だ。
会社での冷静沈着な印象とはえらく違う。
腹を抱えて大声で、馬鹿みたいに笑ってる。
いつもの無愛想な感じよりずっと親しみが持てて、これはこれでいいのかもしれない。
……が。
これは明らかに、自棄だ。
さっきから、ビールを飲むペースが尋常じゃない。
「おい、飲み過ぎだぞ。高校生の前でみっともない」
現に、向かいに座る上野と真央ちゃんも、さすがに苦笑いだ。
「なんなんですか、都筑さん。なんでそんな突っかかってくるんれすか!」
「はいはい。それはあんたの方」
とうとう呂律もまわらなくなってきたらしい。
おまけに絡んでくる始末。
ただ、項垂れる彼女に呆れつつも、放っておけないから厄介だ。
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